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Sep
16th
Thu
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イスラム教というのは、宗教というよりも、
むしろ生き方そのものととらえるべきものかもしれない。
断食にしろ、日に五度の礼拝にしろ、
アッラーと向き合いながら彼らは自分自身と向き合っているとも
言えるのではないだろうか。

あのとき彼は、右手の人差し指を高くたかく伸ばして天をさしていた。
死後の世界で神の審判を受けるときに、
その人差し指が生涯祈りを続けてきたことを証明してくれるのです、とサイードは言った。
それほどまでに禁欲的な、愛を尊ぶ宗教なのに、
どうしてしばしば誤解されてしまうのだろう。
どうしてその名のもとに人々がぶつかり合ったり、
時に殺し合ってしまったりするのだろう。
もちろんそれは、何もイスラム教に限ったことではないのだけれど。

村井 由佳 「遥かなる水の音」

Feb
28th
Sun
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大切に育てるということは
「大切なもの」を与えてやるのではなく、
その「大切なもの」を失ったときにどうやってそれを乗り越えるか、
その強さを教えてやることなのではないかと思う。

吉田修一 「横道世之介」

Jan
10th
Sun
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「私、自分が持っていないものを数えて過ごすのはもういやなの」

角田光代「八日目の蝉」

Nov
29th
Sun
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「僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける」
ベルが鳴り止んだあとで彼は言う。
「大事な機会や可能性や、取り返しのつかない感情。
それが生きることのひとつの意味だ。
でも僕らの頭の中には、たぶん頭の中だと思うんだけど、
そういうものを記憶としてとどめておくための小さな部屋がある。
きっとこの図書館の書架みたいな部屋だろう。
そして僕らは自分の心の正確なありかを知るために、
その部屋のための検索カードをつくりつづけなくてはならない。
掃除をしたり、空気を入れ替えたり、花の水をかえたりすることも必要だ。
君は永遠に君自身の図書館の中で生きていくことになる」

村上 春樹「海辺のカフカ」

Nov
25th
Wed
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そこにあるのは、朽ちるもの、風化していくものへの
無防備な共感ではない。
自然のしわざを取り込み咀嚼する、確かな意思の力だ。

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エッジの効いた箱が時間を想起させる素材をまとい、
クリエイティビティをサポートする空間ができあがった。

CONFORT February 2009
Aug
5th
Wed
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私は私のために生きる。あなたはあなたのために生きる。
私は何もあなたの期待に応えるために、この世に生きているわけじゃない。
そして、あなたも私の期待に応えるために、この世にいるわけじゃない。
私は私。あなたはあなた。
でも、偶然が私たちを出会わせるなら、それは素敵なことだ。
たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいことだ。

Frederick.S.Perls「ゲシュタルトの祈り」
Jun
16th
Tue
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できること、できないこと。
ものすごくがんばればなんとかなるかもしれないこと。
初めからやらないほうがいいかもしれないこと。
やりたいことをやっているように見えて、
本当にやりたいことから逃げているかもしれないこと。
-いいかげん、その見極めがついてもいい歳なのだった。
けれど、できないとどこかでそう思っていても、
諦めてはならないこともある。

梨木香歩「春になったら苺を摘みに - 五年後に」
Jun
15th
Mon
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謝罪要求する彼或いは彼女が望むことは、本当は「対等」の立場を
奪回することなのだ。
虫けらのように扱われた、そのときに一瞬でも変容してしまった
自分の意識-哀れみを乞う、卑屈になる、怯える、徹底的な劣位を体験する-
自分の身の上に起こったそういう感情を払拭することだ。
そして自分の身の上に起こった本当の意味をわかってもらいたい。
痛みをそれぞれ個人レベルの痛みとして感じてもらいたい。

彼、或いは彼女らの心を相手が本当に悼んでくれたと、
彼或いは彼女らが感じることができたら、
そのときやっと本当に「それ」が終わる。

梨木香歩「春になったら苺を摘みに - 夜行列車」
Jun
14th
Sun
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これは私の本来の美意識に反する、
良くない風習を身につけてしまったのだと悟り、
それから、率先して自分からドアを開けるように意識して努めた。
自分の力でドアを開け、
その向こうの新しい空気に触れ、
自分の足で踏み出してゆくこと。

梨木香歩「春になったら苺を摘みに - 子ども部屋」
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ただひたすら信じること、それによって生み出される推進力と、
自分の信念に絶えず冷静に疑問を突きつけることによる負荷。

相反するベクトルを、互いの力を損なわないような形で
一人の人間の中に内在させることは可能なのだろうか。
その人間の内部を引き裂くことなく。
豊かな調和を保つことは。

梨木香歩「春になったら苺を摘みに - 子ども部屋」